高橋歯科院のブログ

2017年11月 1日 水曜日

歯科にも機械化の流れ。その1

 奥歯の虫歯治療の最後に被せる物、保険では以前はほとんど銀歯でした。条件が良ければ樹脂で出来た白い歯を装着できることができましたが、強度が十分ではないので割れやすく使用できる症例が限られていました。
 小臼歯(手前側の奥歯)限定ですが、CAD/CAM冠といわれるハイブリッドレジンを保険治療で利用できるようになりました。今までの金属ではなくレジン(樹脂)ですから、銀色ではなく歯と同様な色になります。ハイブリッドとはいえレジンですから絶対的な強度は金属の銀歯より劣りますが、以前の物よりはだいぶ丈夫です。
 以前の白い被せ物は技工士さんが模型上でレジンを少しずつ盛り上げて、固めてまた盛り上げて固めてを繰り返し歯の形に作り上げていきました。作り上げていく過程でレジンの色を変えることができるので綺麗でより自然な色が出せるのがメリットですが、盛り上げていくため細かな気泡が入ったりしてどうしても強度が落ちてしまいます。
 CAD/CAM冠の場合は、製品としてのハイブリッドレジンブロックを削り出して作りますので品質が一定しています。ただ工業製品なので個体差を出すことができないというデメリットもあります。
 技工士さんが作ってくれる物は個体差にも対応でき色も自然にできますが強度に不安、CAD/CAM冠は強度は増したがより自然な色調にはやや難あり、そうは言っても銀歯から比べれば十分に綺麗ですが・・・・・
 
 さてこのCAD/CAM冠、CAD/CAMシステムを利用して作っている冠(被せ物のこと、クラウンともいう)のことで、工業界の方にとっては別に珍しい製作法ではないと思います。ちなみにCAD/CAMとは computer-aided design / computer-assisted manufacturing の略でコンピューターで設計し、コンピューター制御で作っていくと思っていただければ良いのではないでしょうか。
 歯科の詰め物、被せ物、入れ歯などは資格を持った技工士さんが手作業で製作していくのが普通でした。自分も学生、大学院生として大学病院に残っているときは、ワックスで歯の形を作り、石膏の鋳型に溶かした金属を流し込む鋳造をし、そこから取り出して研磨をするという作業を行ってました。この一連を全て自分で行い、機械されたところはどこにもなし。学生の頃は鋳造が下手でせっかく作ったワックス模型を何個もダメにしました。
 子供がクラブの先輩で自分の母校の歯学部に進んだ人がいてそのツイッターで「花金なのに模型相手にワックスと格闘中、せっかくの大学生活なのに」と言ってたと先日聞いてきましたが「歯学部の学生で専門教養過程に入る珍しくもないよ。大学に残っている先輩に聞くと昔より課題、宿題を減らしている」と言っていたよ、と答えました。
 近代歯科医学は精密鋳造より大きく進歩したと言われてますし、そのことを実感しています。
 こんな手作業で精度の高い技工物を作ってきた世界にも機械化の流れが入ってきました。「やっと」なのか「とうとう」なのか?機械制御が本業ではないのでその辺りはよくわかりませんが大きなパラダイムシフトがおきそうです。
 自費のセラミックではだいぶ定着してきた技法ですが、保険診療に導入されたことにより大きく広がりそうな感じを受けます。
 
 型を採り模型を作って作業をしやすいように修正し、ワックスで歯型を作り、石膏の鋳型にいれて鋳造、出来た金属鋳造物を修正・研磨、この一連の手作業がコンピューターでスキャンして情報を取り込み、PC上で設計し、PC制御のミリングマシーンが削り出して作るに変わります。技工士さんはオペレーター。
 まだ、全ての歯ではありませんが大きな変化がやっと日本の保険診療にも導入されました。

 だいぶ長くなってしまったので次回に続きを書きたいと思います。
 



投稿者 高橋歯科医院

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